新谷暁生さんのオープン講座が行われました

専門講座自然コースの第1回オープン講座が、
8月21日(火)午後6時から、真狩村交流プラザ2階を会場に行われました。

講師は、新谷暁生さん(ニセコ町)です。
専門講座の受講生はいらっしゃいませんでしたが、
法人会員の方と研究塾のスタッフ数名、
そして、ニセコ町に北海道内外から研修に来ている4人の若いインターンシップ生が、
引き込まれるような表情で新谷さんの話に聴き入っていました。

DSC_8530.JPG

新谷さんは、ロッジ・ウッドペッカーズのオーナーですが、
地元の方々にとっては、
ニセコ雪崩事故防止協議会ニセコ雪崩調査所所長としての顔の方が、
お馴染みかもしれません。
ニセコ山系の雪崩事故を防止し続けてきた新谷さんの約20年間に及ぶ活動と、
その中でつくりあげてきた自然と人間の関わりに関するリスクマネジメントの哲学
「ニセコルール」について、具体的で説得力のあるお話がなされました。

DSC_8537.JPG

雪崩が起きる第1原因は吹雪の状況であることから、冬季間における毎日のリアルなデータ収集と経験知に基くシビアな分析判断、そしてゲレンデのゲートとロープ際でスキーヤーと個別に対話して理解と合意を求めながら、日々安全の確保に努めています。新谷さんの活動が無かった頃は、ほぼ毎年のように雪崩に巻き込まれて死者が出ていたゲレンデでしたが、「ニセコルール」にもとづく雪崩事故防止活動が行われてからは、死亡事故は全く発生していないと言います。
しかし、今年65歳になって、今後も同様に活動が継続できるかどうか不安、という声も新谷さんから聞かれました。「ニセコルール」の本質が、まだ地元にも十分に浸透していない現況に対する疲労感も感じられるようです。聴講したインターン生から、新谷さんの活動の成果をいかにして地域に定着させるべきか、熱心な質問と意見が出され、新谷さんとの間で熱い対話が交わされました。
スキー場の安全確保は、単に一組織に任せることや制度に依存することで得られるのではなく、現場で地道な活動を続けるスタッフの熱意と柔軟な対応、そしてそれを支える関係者の理解と協力が不可欠であること、また、行政機関も単に学術的な権威に寄りかかるのではなく、安全確保のためのミッションと真剣に向き合うことが必要であるとのメッセージが、講座の締めくくりとなりました。

次回のオープン講座は、
9月6日(木)18時〜
倶知安風土舘を会場に、
ネイチャーガイドの矢吹全さんによる自然コースのオープン講座です。

こちらにも、是非ご参加ください。

日時: 2012年08月22日 11:56