ニセコアンヌプリ

ニセコアンヌプリには、ニセコグランひらふと花園スキー場、ニセコアンヌプリ国際スキー場、ニセコ東山スキー場の4つのスキー場が営業していますが、互いに競争するだけでなく広域ニセコエリアとして相乗効果を発揮し、ニセコというブランドの下にスキーヤーを惹きつけ共に発展してきました。ニセコアンヌプリ各スキー場はニセコアンヌプリへ来たスキーヤーを自社のスキー場を利用してもらえるように、互いに競争してスキー場の魅力を高め、スキーヤーはそれに惹きつけられて来場します。そうした賑わいが話題となり、いっそう多くのスキーヤーはニセコのスキー場に関心を持ち、来場したいと考えます。

そして、増加するスキーヤーを目当てに宿泊施設、飲食施設、娯楽施設が続々とでき、ビジネス機会を見出した企業や個人が新しいアトラクションを提供するようになり、観光地域として発展していきます。こうした好循環がニセコ地域を全国ブランドのスキーリゾートとしての知名度を確立し、地域としての競争優位を構築していったのです。こうした地域内での連携はこれまで競争を主とした宿泊施設間で競争と協調を新たに生み出しました。

それが新たにニセコ地域の活性化を生み出し、少数の企業がリゾートを開発、運営した地域とは異なった発展の仕方をしてきたと考えられます。規模、目的、利害の異なる多数の民間企業や個人が自発的にニセコ地域へ参入することで、整然とした発展ではありませんが、互いの共生と競争の中で刺激し合い、切磋琢磨し合って、ニセコ地域を北海道有数のリゾートに育て上げてきたと言えます。

最近多くなってきた夏季に行われる様々なアクティビティ・プログラムは、ニセコ地域へ住み着いた外国人アウトドア愛好者がニセコの自然に触発され、事業化したものです。それがニセコ地域の他の人や組織に波及し、ニセコ地域経済へ影響を与えるほどになっています。

倶知安町とニセコ町の観光客入り込み数の合計で見ると、冬期間(12月~3月)の日帰り観光客入り込み数は1992年度を最高として、宿泊観光客入り込み数は1990年度を頂点として、直近2年間は回復傾向にあるものの低迷しています。

そこで必要なのが協調や調整の場です。ニセコアンヌプリのスキー場間では、ニセコフリーパスポートシステムの協議会が協調や調整の場としてその機能を果たしています。

1999/2000年のシーズンから「UNITED GELANDE NISEKO」をキャッチフレーズに各種PRや、ニセコエリア3スキー場の共同のホームページを立ち上げています。この協議会がさらに他の宿泊施設などの協調・調整機関や行政と連携することで、互いに相乗効果が生まれると考えられます。

ニセコ地域の発展は行政の振興政策の結果というよりは、市場メカニズムによってニセコ地域が民間企業等によって選択され、民間活力によって成長してきたといえます。あくまで主役は民間であり、行政はニセコ地域が健全な発展を遂げるために支援をする脇役に徹しています。倶知安町とニセコ町は自らが主導権を握りニセコを開発してきたのではなく、民間企業等がニセコブランドを全国的に認知してもらうための窓口として、ニセコ地域に新規参入する民間企業の入り口役となり、ニセコ地域の発展を支えてきたのです。

行政の役割は今後ますます重要になってきます。ネットワークを統合するための場を提供したり、既にある協調や調整の機関を支援することです。また、ニセコ地域の地方自治体同士も協調して、ニセコ地域の発展に努めることも求められます。ニセコ山系観光連絡協議会とニセコ山系広域観光推進委員会が発行している広報雑誌「NISEKO EXPRESS」は、地域の協調と統合の具体的成果として評価されています。ニセコアンヌプリは、地域の競争優位の源泉となりうる貴重な資源です。行政は、これまでニセコ地域が構築してきた優位性を維持していくために、ネットワークを統合し、長期の視点で総合的な発展を考えていく必要があるでしょう。

日時: 2007年10月25日 10:16